2019年02月25日
P90 初速アップ&レスポンスアップカスタム!
レベルアップサバゲーの生配信にてカスタムしたP90ですが、微調整していきたいと思います。

因みにこのP90は仲間のたっちゃんから預かっていたもので、サイクルを上げたいという要望があったのでオーバーホールを兼ねて生配信カスタムした訳なんです。
本来は生配信中に0.2gで90m/sちょいくらいを目指したかったのですが、初速調整でM110スプリングを入れたところ97m/sになってしまいました。4時間超に及ぶ生配信カスタムで疲れたのでとりあえずその日は97m/sのまま終了しました。
97m/sは法定初速以内ではありますが、サバゲーで使うにはちょっと威力が強すぎるので下げていきたいと思います。
次回の生配信時は配線交換してFETを取り付ける内容でいきたいので初速関係は予め調整してブログで紹介しておこうかと思います。
サバゲーで使いやすい初速90m/s前後の秒間22発くらいに仕上げたいと思います。
ということで分解です!

M4だと手順が多くて億劫になりますがP90は15秒くらいでメカボックスを外せるので本当に楽ちんですね!
まずは生配信内で行った作業を紹介します。
ライラクスのVer.6用メタル軸受けを取り付けました。取り付けた後で瞬間接着剤を流し込んでいます。

Ver.6用メタル軸受けってライラクスと海外のどこかのメーカーが1つだけ発売しているくらいで他は無いんですよね。
一応サイクルを上げるということでメタル軸受けを選定しましたが、秒間22発程度なら純正のナイロンでも良い気もしますがどうなんでしょうかね。
たっちゃんはそんなにフルオートでばら撒くタイプの人間でもないですし。
軸受け取り付けシーンから始まります↓
モーターはZC Leopardのハイスピードハイトルクモーターをチョイス。安くてトルクの強いモーターが欲しかったので仕方なくこれにしました。

ネオジム磁石を採用しているのでサマコバ並みにパンチが強いにも関わらず4480円と非常にコスパの良いモーターですがブラシの消耗が激しいのと、ピニオンがイモネジ式ですぐ取れるのと、エンドベルのカシメが弱くてすぐエンドベルが外れてしまうので正直品質は良いとはいえません。
安かろう悪かろうですね。
自分で弄るのが苦手な方はちょっと高いですがマルイのサマコバが良いと思います。
そして、シャフトもマルイのよりも1mmくらい長いのでマルイ製品のモーターの位置調整のイモネジじゃ許容できない場合があります。
つまり、M4などではグリップのフタが閉まらなかったり、位置調整が出来ないのでノイズが消えなかったり等起こる可能性があるのでZC製品は自分で何でも直す技術がある人向けですね。
モーター取り付けシーンから始まります↓
リポ+ハイスピードハイトルクモーターの組み合わせの場合は初動のパンチ力がギヤに負担をかけるので強化ギヤにします。
ギヤも同じくZCの13:1ハイスピードギヤをチョイス。

こちらのギヤも2380円と非常に安価です。
高強度ギヤなのでこのようなハイトルクモーターのパンチ力にも対応できます。耐久性の高いギヤです。
が、しかし・・・・
ZCはギヤが他製品よりも分厚過ぎる為、シム調整で難儀することに・・・。
生配信中にしっかりとシム調整を行いました。

視聴者の方がシム厚をメモって下さって大変助かりました。
たわしスポンジさんありがとうございます。
ベベル :上下0.3mm
スパー :下0.3mm・上0.1mm
セクター:下0.4mm・上0.7mm
逆転防止ラッチ:下のみ1.0mm
シム調整シーンから始まります↓
先述したようにZCのスパーギヤはマルイ純正よりも1.5mmも厚かったので、ギヤ同士のかみ合わせを調整していく最中でセクターギヤと逆転防止ラッチの動作に問題が発生。
スパーが厚いことでセクターギヤのカムがメカボックスの一部に干渉するようになってしまいました。

ですので、干渉する部分をリューターで削りました。
この程度の切削であればメカボ自体の強度にそこまで影響を及ぼすことはないでしょう。
セクターカムを削るという選択肢もありましたが、削った後にセクターカムのエッジを丸めるのも大変なのでメカボ側を削りました。
材質もメカボの方が柔らかいですしね。
逆転防止ラッチがスパーの歯に干渉するという問題もスパーの分厚さから生じました。
今回の場合、逆転防止ラッチの下側にシムを1mm入れてかさ上げして干渉しないように調整しました。

ラッチを1mmかさ上げしてしまうとメカボが閉まらなくなるので逆側のメカボのダボを削って底面とツライチに削りました。
因みに削ったダボの高さは1mmでしたのでラッチに1mmのシムをかませたことでプラマイゼロになります。

要はラッチを1mm上にズラしたということです。
ダボをフリーハンドで削った割にはかなり精密に削れているかと思います。
スパーが分厚いことで組み込み時に手間取りましたが、分厚いということはギヤ同士の歯面の噛みあう面積が広いので効率よくトルクを伝えることができますし、耐久性の向上にもつながります。
社外製のパーツを組み込む際はポン付けとはいかないことがありますが、そういった問題点をすんなり解消できるかがチューナーの腕の見せ所ですね。まぁ私は素人ですが・・・。
ネットで有名なチューナーの方も沢山いらっしゃいますが、生配信で腕前を見せて欲しいですね。勉強したいです。
セクターギヤの歯をカットする作業も生配信中に行いました。
スイッチのカットオフタイミングを考慮し、リューターで引き側を2枚カット、解放側を1枚カット。要はマルイのハイサイクルギヤと同じタイミングにしたということですね。


じゃあマルイのギヤでいいじゃんというツッコミはごもっともなんですが、マルイのハイサイクルギヤセットは4500円もするのと、素材が違うので耐久性が変わってきます。
それに、友人から頼まれている案件なのでなるべくパーツ代を安く済ませてあげようという意味でも今回はZCをチョイスしています。
ただ、ここまで苦労するならその分マルイのギヤを買ってポン付け出来た方が結果的に良かったかもしれません(笑)
セクターカットのシーンから始まります↓
リューターは兄から譲り受けた歯科技工士用のハイエンド機種をを使っていますが、Amazonなんかで買える下記の機種でも十分かと思います。
エアガンのカスタムって結構削る作業多いですから、これからチューニングしようと思っている方にはオススメです。
フットペダル式だと作業がすごく捗ります。またすぐに停止できるので怪我もしにくくなりますよ。
ビットは下記の物がオススメです。
左の円筒形があればエアガンの作業なら大体事足ります。
セクターカットする場合は砥石ビットですね。
生配信で使っていたのはこれです。
海外製の安いビットは軸ズレしていたりするので国内メーカーのがオススメです。
私はプロモデラー時代からずっと浦和工業のを愛用しています。
国内メーカーのビットは品質が良い分、値段が高いです。
しかし、安い道具を使うより高い道具を使った方が仕事が早く終わり、結果的に自分のこなした時間当たりの仕事の時給が高くなるので実はすぐに元が取れます。
こういった道具はケチっちゃダメですよ。
プラモデルの仕事でもデザインナイフの刃は1~2時間に1回くらいは替えてましたし、2500円の薄刃ニッパーも切れ味が悪くなったらすぐに買い替えてましたが、その方が作品は綺麗に、そして早く仕上がるので結果的に収入は上がります。
仕事道具はケチるなっていうのはどんな仕事にも当てはまると思いますね。
ちょっと話が逸れてしまいました。
で!
ピストンはライラクスのハードピストン&POMピストンヘッドを採用。これもマルイと同じにする為、ラックの1枚目をリューターで削って落としました。

とりあえず組んどけば間違いない組み合わせです。
GAWのスペーサーでAOE調整しています。
本当は安価なZCのフルスチールラック樹脂ピストンを使う予定だったのですが、間違ってアルミピストンを買ってしまいました。

サイクルアップするのに35gの重量ピストンにしてしまうとピストンスピードが落ちます。
弱めのハイサイクルスプリング+加速シリンダー+重量ピストンだと十分に加速できず、初速が下がってしまうのではないかという懸念があったので家にストックしてあったライラクスのピストンを投入したワケですね。
因みに本来買おうと思っていたのはコレ↓

インナーバレルが短ければもっと強いスプリングにして重量ピストンを入れてもピストンスピードを稼げますが、そうすると硬いスプリングによって秒間サイクルが更に落ちるので本来の目的を達成できなくなってしまいます。
そういった作業やトータルバランスを考えると普通に純正と同じ25gのピストンを入れてしまった方が良いということです。
恐らくこの今回の構成の場合はピストンは純正かそれ以下の重さにしてピストンの突入スピードを上げた方が初速が安定しそうですし、ハイサイクルにも適しているという判断です。
まぁ、P90はインナーが25センチあるので重量ピストンでもしっかりとインナーバレル内で加速できたかもしれませんが。
この辺はやってみないと分からないですね。
あと、今回使用したライラクスのハードピストンとPOMヘッドの組み合わせだとAOEが合っていなかったのでGAWのスペーサーをピストンとPOMヘッドの間に挟みました。
AOEとはアングルオブエンゲージメントの略で、要はピストンの引き始めのラックとセクターのギヤの当たる角度のことを指します。
例えば、ピストン前進停止位置が若干前気味だとピストンの1枚目のラックとセクターギヤの1枚目の歯がこのような当たり方をしてしまいます。こういった場合、歯が当たる瞬間、上方向に力が加わってしまい、ピストンに本来想定されていない上方向の負荷がかかってしまいます。

歯の形や大きさがアレですが、概念図なので大目に見て下さい(笑)
これは良くない状態です。この程度のズレなら普通に動きますし、普通に撃てます。しかし、長い目で見た場合はこのまま駆動し続けるとメカボ側のピストンレールがどんどん削れて細くなって最終的にクラッシュします。
ピストンの初期位置がさらに前進気味になっていると、このようにキツい角度で歯が当たる状態で当たるようになってしまいます。この場合は早い段階でピストンが潰されて楕円形に変形してしまうこともあります。
まぁ相当変なピストン&薄いピストンヘッドを使わない限りはこの図のようにはなりませんが・・・。
で!これが正しい歯の当たり方です。ラックと歯がしっかりと面で当たり、後ろ方向に正しい力が加わります。

AOEが合っていない時はシリンダーヘッドに緩衝材を貼ってカサ増ししてピストンの初期位置を後ろに下げる方法と、今回のようにピストンヘッドとピストンの間にスペーサーを挟んでAOEを調整する方法があります。
前者は有効エア容量が少しだけ減ってしまうので今回は後者の方法で調整しました。
GAWのスペーサーを入れたことでセクターの歯とピストンのラックの当たり方が良くなっています。

厳密には更に0.3mm程度のプラ板でも挟んで少しだけ調整した方が良かったのですが、このくらいの当たり方でも大方問題は無いかと思います。
AOEのズレは社外製のピストン&ピストンヘッドを入れると往々にして起こることなのでカスタムする際は注意が必要です。
AOEの調整方法は完全にガンジニアさんの受け売りです。ガンジニアさんの方が詳しく解説されておりますので是非そちらもご覧ください。
かみさまー!
以上の作業を行い、生配信中にZCのM90スプリングを入れたところ初速が0.2gで80m/s前後という物足りない数字だったので改めてM110スプリングを入れてみたら一気に97m/sという高初速になってしまいました。微調整しようと思ったけど疲れたので終了!
ここまでが4時間の生配信で行った作業です。
ここからは生配信中にやりきれなかった初速調整の続きをやっていきます。
生配信でM90スプリングでは低すぎ、M110スプリングでは高すぎになったので中間のM100を入れたら丁度良いだろうということでコレを入れてみたのですが・・・・

何故かM100でも96m/s出てしまいました(汗)
まぁスプリングの個体差も若干あるでしょうし、パッケージに表記してあるM〇〇という数字もあくまで目安なのでこの辺は現物合わせでやっていくしかないですね。
特にZCはM●●表記がかなりアバウトで信用ならないので注意!
どうしてもZCを使うなら同じ硬さを3本くらい用意すると良いです、ただその金があれば別のメーカーの良いのを買えるという(笑)
結局、生配信で最初に入れたZCのM90スプリングを入れ、そこからカサ上げして初速調整をしていきたいと思います。

せっかくカサ上げするならスプリングガイドもスラストベアリング入りのものにしたいと思います。バネが伸長する際の捻じれをベアリングで逃がしてくれるので抵抗値が減り、サイクル向上に一役買ってくれます。まぁマルイの純正ハイサイクルには入っていないので無くても大丈夫なパーツではあります。

今回入れたベアリングガイドはライラクスのVer.2用ですが、Ver.6にもピッタリ入りました。多分、メカボックスにハメるツメの長さが違うだけですね。
ベアリング部分に厚みあるのでこれで6mmのカサ上げになります。
スラスト荷重を緩和しつつ初速も上げられて一石二鳥です。
本来P90用は↓になります。
しかし、これだけでは足りないのでGAWのスペーサーで微調整していきます。これはピストンの中に入れるカサ増し用のPOMスペーサーになります。

今回のようにセクターカットした場合に役立ちます。
今回は5mm厚の物を入れるのでスプリングガイドの厚みと合わせると合計11mmのカサ上げです。

スプリングガイドはM5ネジでしっかりと固定しました。マルイのメカボなので多分垂直になっているはず!

で、スプリングガイドをねじ止めするとこのプレートに干渉してしまうのでリューターで削って逃がしスペースを作りました。

ハメるとこのようになります。

で、気になる初速はというと・・・?

ホップちょい掛け状態、0.2gで平均87m/sになりました。
なんだか初速がとても安定しています。
因みにゼロホップと適正ホップの状態でも初速は87m/s前後です。
バランスが取れていますね。そりゃマルイの純正に近いセッティングにしたので当たり前ですが。
本来の目的は90m/sでしたが、もう面倒なので87m/sで良いでしょう。たっちゃんは相手と距離近いですし。
でもすぐヘタって85m/s位までは落ちそうなので時間のあるときにまたカサ上げして調整するとします。
サイクルはこんな感じ。

サイクルは22.5発といったところでしょうか。
0.5発程度サイクルに余裕があるので更にスプリングをかさ上げして初速を90m/sにしたらちょうど22発ぴったりになるかもですね。
バッテリーは7.4vの2200mAhです。

とりあえず完成なので次回の生配信時に配線交換&FET取り付けを行い、サイクルにどのような変化が起こるかを実験したいと思います。
今回は安く済ませたかったのでZC Leopard製を無理やり時間を掛けて加工してカスタムしましたが、時間もお金と考えたら少し高くても別メーカーを使った方が結果的に安かったかもしれません。
加工する道具の値段を考えたら完全にZCのが高く付くので、ZCを選ぶ場合は金はあまりないけど時間と技術はある!って場合ですかね・・・。
といってもZCとマルイ純正ギヤの価格差はそこまででもないのでマルイのを買った方が早いですよホントに。
あとはオマケでショートストローク化もやりたいと思います。

P90はスイッチが独特なのですが、このように3mmほどのあそびがありますのでこれを詰めてトリガーレスポンスの体感を上げたいと思います。
"体感"と書いたのは人は「トリガーを引き始めてから弾が出るまで」をレスポンスと感じているからです。
"撃つ"という一連の流れにおいて、エアガンの動作よりも人間のトリガーを引くという所作の方が圧倒的に時間が掛かっています。
ですから、トリガーの遊びを少なくして引く距離を短くしてやれば指を動かす距離が短くなります。つまり人間が行う必要な動作の時間が短くなります。そうすると結果的に「トリガーを引き始めてから弾が出るまで」の時間が短くなります。
前にも書きましたがエアガンのモーターが回り始めてピストンが落ちるまでの時間よりも人間がトリガーを引くという動作の方が遅すぎるのです。
セミ連射する時が特にそうなのですが、人間の指が遅すぎて機械の性能に追いついていないということです。
機械的にはノーマル状態で十分な性能を有しているので、じゃあ人間がやらなきゃいけない動作を少しでも少なくしてあげようというのがショートストローク化の意味です。
P90のノーマルスイッチをM4みたいにカリカリに詰めることは難しいですがある程度は簡単に詰められる構造をしています。
で、やり方は簡単!
厚さ3mm程度の適当なプラ棒を6mmの長さに切ってここに貼るだけ!


ここは元々3mmほどの隙間があったところなので6mmの長さのプラ棒を貼りました。これで3mmのショートストローク化になります。
両面テープで貼ります。接着剤を使ってしまうとトリガーを分解できなくなってしまいます。
トリガーの初期位置を3mm程引いた状態になりましたので今度はセーフティが掛からなくなります。
ですから、セーフティが掛かるようにセレクターを加工します。
矢印の赤いマーカーで塗った部分をリューターで削り落とします。

リューターでおおまかに削り、細かい部分は彫刻刀とデザインナイフで調整しました。

これでショートストローク化してもセーフティが掛かるようになりました。
この加工で3mm程度のショートストローク化になりました。
いや~なんだかんだで結構弄ってしまいました(笑)

初速も非常に安定してますし、良い感じになってきているのではないかと思います。
後は生配信で仕上げて完成ですね~!
生配信時はツイッターにて告知しますのでぜひフォローをお願い致します。
Follow @daimondanchou
ということでまた次回!

因みにこのP90は仲間のたっちゃんから預かっていたもので、サイクルを上げたいという要望があったのでオーバーホールを兼ねて生配信カスタムした訳なんです。
本来は生配信中に0.2gで90m/sちょいくらいを目指したかったのですが、初速調整でM110スプリングを入れたところ97m/sになってしまいました。4時間超に及ぶ生配信カスタムで疲れたのでとりあえずその日は97m/sのまま終了しました。
97m/sは法定初速以内ではありますが、サバゲーで使うにはちょっと威力が強すぎるので下げていきたいと思います。
次回の生配信時は配線交換してFETを取り付ける内容でいきたいので初速関係は予め調整してブログで紹介しておこうかと思います。
サバゲーで使いやすい初速90m/s前後の秒間22発くらいに仕上げたいと思います。
ということで分解です!

M4だと手順が多くて億劫になりますがP90は15秒くらいでメカボックスを外せるので本当に楽ちんですね!
まずは生配信内で行った作業を紹介します。
ライラクスのVer.6用メタル軸受けを取り付けました。取り付けた後で瞬間接着剤を流し込んでいます。

Ver.6用メタル軸受けってライラクスと海外のどこかのメーカーが1つだけ発売しているくらいで他は無いんですよね。
一応サイクルを上げるということでメタル軸受けを選定しましたが、秒間22発程度なら純正のナイロンでも良い気もしますがどうなんでしょうかね。
たっちゃんはそんなにフルオートでばら撒くタイプの人間でもないですし。
軸受け取り付けシーンから始まります↓
モーターはZC Leopardのハイスピードハイトルクモーターをチョイス。安くてトルクの強いモーターが欲しかったので仕方なくこれにしました。

ネオジム磁石を採用しているのでサマコバ並みにパンチが強いにも関わらず4480円と非常にコスパの良いモーターですがブラシの消耗が激しいのと、ピニオンがイモネジ式ですぐ取れるのと、エンドベルのカシメが弱くてすぐエンドベルが外れてしまうので正直品質は良いとはいえません。
安かろう悪かろうですね。
自分で弄るのが苦手な方はちょっと高いですがマルイのサマコバが良いと思います。
そして、シャフトもマルイのよりも1mmくらい長いのでマルイ製品のモーターの位置調整のイモネジじゃ許容できない場合があります。
つまり、M4などではグリップのフタが閉まらなかったり、位置調整が出来ないのでノイズが消えなかったり等起こる可能性があるのでZC製品は自分で何でも直す技術がある人向けですね。
モーター取り付けシーンから始まります↓
リポ+ハイスピードハイトルクモーターの組み合わせの場合は初動のパンチ力がギヤに負担をかけるので強化ギヤにします。
ギヤも同じくZCの13:1ハイスピードギヤをチョイス。

こちらのギヤも2380円と非常に安価です。
高強度ギヤなのでこのようなハイトルクモーターのパンチ力にも対応できます。耐久性の高いギヤです。
が、しかし・・・・
ZCはギヤが他製品よりも分厚過ぎる為、シム調整で難儀することに・・・。
生配信中にしっかりとシム調整を行いました。

視聴者の方がシム厚をメモって下さって大変助かりました。
たわしスポンジさんありがとうございます。
ベベル :上下0.3mm
スパー :下0.3mm・上0.1mm
セクター:下0.4mm・上0.7mm
逆転防止ラッチ:下のみ1.0mm
シム調整シーンから始まります↓
先述したようにZCのスパーギヤはマルイ純正よりも1.5mmも厚かったので、ギヤ同士のかみ合わせを調整していく最中でセクターギヤと逆転防止ラッチの動作に問題が発生。
スパーが厚いことでセクターギヤのカムがメカボックスの一部に干渉するようになってしまいました。

ですので、干渉する部分をリューターで削りました。
この程度の切削であればメカボ自体の強度にそこまで影響を及ぼすことはないでしょう。
セクターカムを削るという選択肢もありましたが、削った後にセクターカムのエッジを丸めるのも大変なのでメカボ側を削りました。
材質もメカボの方が柔らかいですしね。
逆転防止ラッチがスパーの歯に干渉するという問題もスパーの分厚さから生じました。
今回の場合、逆転防止ラッチの下側にシムを1mm入れてかさ上げして干渉しないように調整しました。

ラッチを1mmかさ上げしてしまうとメカボが閉まらなくなるので逆側のメカボのダボを削って底面とツライチに削りました。
因みに削ったダボの高さは1mmでしたのでラッチに1mmのシムをかませたことでプラマイゼロになります。

要はラッチを1mm上にズラしたということです。
ダボをフリーハンドで削った割にはかなり精密に削れているかと思います。
スパーが分厚いことで組み込み時に手間取りましたが、分厚いということはギヤ同士の歯面の噛みあう面積が広いので効率よくトルクを伝えることができますし、耐久性の向上にもつながります。
社外製のパーツを組み込む際はポン付けとはいかないことがありますが、そういった問題点をすんなり解消できるかがチューナーの腕の見せ所ですね。まぁ私は素人ですが・・・。
ネットで有名なチューナーの方も沢山いらっしゃいますが、生配信で腕前を見せて欲しいですね。勉強したいです。
セクターギヤの歯をカットする作業も生配信中に行いました。
スイッチのカットオフタイミングを考慮し、リューターで引き側を2枚カット、解放側を1枚カット。要はマルイのハイサイクルギヤと同じタイミングにしたということですね。


じゃあマルイのギヤでいいじゃんというツッコミはごもっともなんですが、マルイのハイサイクルギヤセットは4500円もするのと、素材が違うので耐久性が変わってきます。
それに、友人から頼まれている案件なのでなるべくパーツ代を安く済ませてあげようという意味でも今回はZCをチョイスしています。
ただ、ここまで苦労するならその分マルイのギヤを買ってポン付け出来た方が結果的に良かったかもしれません(笑)
セクターカットのシーンから始まります↓
リューターは兄から譲り受けた歯科技工士用のハイエンド機種をを使っていますが、Amazonなんかで買える下記の機種でも十分かと思います。
エアガンのカスタムって結構削る作業多いですから、これからチューニングしようと思っている方にはオススメです。
フットペダル式だと作業がすごく捗ります。またすぐに停止できるので怪我もしにくくなりますよ。
ビットは下記の物がオススメです。
左の円筒形があればエアガンの作業なら大体事足ります。
セクターカットする場合は砥石ビットですね。
生配信で使っていたのはこれです。
海外製の安いビットは軸ズレしていたりするので国内メーカーのがオススメです。
私はプロモデラー時代からずっと浦和工業のを愛用しています。
国内メーカーのビットは品質が良い分、値段が高いです。
しかし、安い道具を使うより高い道具を使った方が仕事が早く終わり、結果的に自分のこなした時間当たりの仕事の時給が高くなるので実はすぐに元が取れます。
こういった道具はケチっちゃダメですよ。
プラモデルの仕事でもデザインナイフの刃は1~2時間に1回くらいは替えてましたし、2500円の薄刃ニッパーも切れ味が悪くなったらすぐに買い替えてましたが、その方が作品は綺麗に、そして早く仕上がるので結果的に収入は上がります。
仕事道具はケチるなっていうのはどんな仕事にも当てはまると思いますね。
ちょっと話が逸れてしまいました。
で!
ピストンはライラクスのハードピストン&POMピストンヘッドを採用。これもマルイと同じにする為、ラックの1枚目をリューターで削って落としました。

とりあえず組んどけば間違いない組み合わせです。
GAWのスペーサーでAOE調整しています。
本当は安価なZCのフルスチールラック樹脂ピストンを使う予定だったのですが、間違ってアルミピストンを買ってしまいました。

サイクルアップするのに35gの重量ピストンにしてしまうとピストンスピードが落ちます。
弱めのハイサイクルスプリング+加速シリンダー+重量ピストンだと十分に加速できず、初速が下がってしまうのではないかという懸念があったので家にストックしてあったライラクスのピストンを投入したワケですね。
因みに本来買おうと思っていたのはコレ↓
インナーバレルが短ければもっと強いスプリングにして重量ピストンを入れてもピストンスピードを稼げますが、そうすると硬いスプリングによって秒間サイクルが更に落ちるので本来の目的を達成できなくなってしまいます。
そういった作業やトータルバランスを考えると普通に純正と同じ25gのピストンを入れてしまった方が良いということです。
恐らくこの今回の構成の場合はピストンは純正かそれ以下の重さにしてピストンの突入スピードを上げた方が初速が安定しそうですし、ハイサイクルにも適しているという判断です。
まぁ、P90はインナーが25センチあるので重量ピストンでもしっかりとインナーバレル内で加速できたかもしれませんが。
この辺はやってみないと分からないですね。
あと、今回使用したライラクスのハードピストンとPOMヘッドの組み合わせだとAOEが合っていなかったのでGAWのスペーサーをピストンとPOMヘッドの間に挟みました。
AOEとはアングルオブエンゲージメントの略で、要はピストンの引き始めのラックとセクターのギヤの当たる角度のことを指します。
例えば、ピストン前進停止位置が若干前気味だとピストンの1枚目のラックとセクターギヤの1枚目の歯がこのような当たり方をしてしまいます。こういった場合、歯が当たる瞬間、上方向に力が加わってしまい、ピストンに本来想定されていない上方向の負荷がかかってしまいます。

歯の形や大きさがアレですが、概念図なので大目に見て下さい(笑)
これは良くない状態です。この程度のズレなら普通に動きますし、普通に撃てます。しかし、長い目で見た場合はこのまま駆動し続けるとメカボ側のピストンレールがどんどん削れて細くなって最終的にクラッシュします。
ピストンの初期位置がさらに前進気味になっていると、このようにキツい角度で歯が当たる状態で当たるようになってしまいます。この場合は早い段階でピストンが潰されて楕円形に変形してしまうこともあります。

まぁ相当変なピストン&薄いピストンヘッドを使わない限りはこの図のようにはなりませんが・・・。
で!これが正しい歯の当たり方です。ラックと歯がしっかりと面で当たり、後ろ方向に正しい力が加わります。

AOEが合っていない時はシリンダーヘッドに緩衝材を貼ってカサ増ししてピストンの初期位置を後ろに下げる方法と、今回のようにピストンヘッドとピストンの間にスペーサーを挟んでAOEを調整する方法があります。
前者は有効エア容量が少しだけ減ってしまうので今回は後者の方法で調整しました。
GAWのスペーサーを入れたことでセクターの歯とピストンのラックの当たり方が良くなっています。

厳密には更に0.3mm程度のプラ板でも挟んで少しだけ調整した方が良かったのですが、このくらいの当たり方でも大方問題は無いかと思います。
AOEのズレは社外製のピストン&ピストンヘッドを入れると往々にして起こることなのでカスタムする際は注意が必要です。
AOEの調整方法は完全にガンジニアさんの受け売りです。ガンジニアさんの方が詳しく解説されておりますので是非そちらもご覧ください。
かみさまー!
以上の作業を行い、生配信中にZCのM90スプリングを入れたところ初速が0.2gで80m/s前後という物足りない数字だったので改めてM110スプリングを入れてみたら一気に97m/sという高初速になってしまいました。微調整しようと思ったけど疲れたので終了!
ここまでが4時間の生配信で行った作業です。
ここからは生配信中にやりきれなかった初速調整の続きをやっていきます。
生配信でM90スプリングでは低すぎ、M110スプリングでは高すぎになったので中間のM100を入れたら丁度良いだろうということでコレを入れてみたのですが・・・・

何故かM100でも96m/s出てしまいました(汗)
まぁスプリングの個体差も若干あるでしょうし、パッケージに表記してあるM〇〇という数字もあくまで目安なのでこの辺は現物合わせでやっていくしかないですね。
特にZCはM●●表記がかなりアバウトで信用ならないので注意!
どうしてもZCを使うなら同じ硬さを3本くらい用意すると良いです、ただその金があれば別のメーカーの良いのを買えるという(笑)
結局、生配信で最初に入れたZCのM90スプリングを入れ、そこからカサ上げして初速調整をしていきたいと思います。

せっかくカサ上げするならスプリングガイドもスラストベアリング入りのものにしたいと思います。バネが伸長する際の捻じれをベアリングで逃がしてくれるので抵抗値が減り、サイクル向上に一役買ってくれます。まぁマルイの純正ハイサイクルには入っていないので無くても大丈夫なパーツではあります。

今回入れたベアリングガイドはライラクスのVer.2用ですが、Ver.6にもピッタリ入りました。多分、メカボックスにハメるツメの長さが違うだけですね。
ベアリング部分に厚みあるのでこれで6mmのカサ上げになります。
スラスト荷重を緩和しつつ初速も上げられて一石二鳥です。
本来P90用は↓になります。
しかし、これだけでは足りないのでGAWのスペーサーで微調整していきます。これはピストンの中に入れるカサ増し用のPOMスペーサーになります。

今回のようにセクターカットした場合に役立ちます。
今回は5mm厚の物を入れるのでスプリングガイドの厚みと合わせると合計11mmのカサ上げです。

スプリングガイドはM5ネジでしっかりと固定しました。マルイのメカボなので多分垂直になっているはず!

で、スプリングガイドをねじ止めするとこのプレートに干渉してしまうのでリューターで削って逃がしスペースを作りました。

ハメるとこのようになります。

で、気になる初速はというと・・・?

ホップちょい掛け状態、0.2gで平均87m/sになりました。
なんだか初速がとても安定しています。
因みにゼロホップと適正ホップの状態でも初速は87m/s前後です。
バランスが取れていますね。そりゃマルイの純正に近いセッティングにしたので当たり前ですが。
本来の目的は90m/sでしたが、もう面倒なので87m/sで良いでしょう。たっちゃんは相手と距離近いですし。
でもすぐヘタって85m/s位までは落ちそうなので時間のあるときにまたカサ上げして調整するとします。
サイクルはこんな感じ。

サイクルは22.5発といったところでしょうか。
0.5発程度サイクルに余裕があるので更にスプリングをかさ上げして初速を90m/sにしたらちょうど22発ぴったりになるかもですね。
バッテリーは7.4vの2200mAhです。

とりあえず完成なので次回の生配信時に配線交換&FET取り付けを行い、サイクルにどのような変化が起こるかを実験したいと思います。
今回は安く済ませたかったのでZC Leopard製を無理やり時間を掛けて加工してカスタムしましたが、時間もお金と考えたら少し高くても別メーカーを使った方が結果的に安かったかもしれません。
加工する道具の値段を考えたら完全にZCのが高く付くので、ZCを選ぶ場合は金はあまりないけど時間と技術はある!って場合ですかね・・・。
といってもZCとマルイ純正ギヤの価格差はそこまででもないのでマルイのを買った方が早いですよホントに。
あとはオマケでショートストローク化もやりたいと思います。

P90はスイッチが独特なのですが、このように3mmほどのあそびがありますのでこれを詰めてトリガーレスポンスの体感を上げたいと思います。

"体感"と書いたのは人は「トリガーを引き始めてから弾が出るまで」をレスポンスと感じているからです。
"撃つ"という一連の流れにおいて、エアガンの動作よりも人間のトリガーを引くという所作の方が圧倒的に時間が掛かっています。
ですから、トリガーの遊びを少なくして引く距離を短くしてやれば指を動かす距離が短くなります。つまり人間が行う必要な動作の時間が短くなります。そうすると結果的に「トリガーを引き始めてから弾が出るまで」の時間が短くなります。
前にも書きましたがエアガンのモーターが回り始めてピストンが落ちるまでの時間よりも人間がトリガーを引くという動作の方が遅すぎるのです。
セミ連射する時が特にそうなのですが、人間の指が遅すぎて機械の性能に追いついていないということです。
機械的にはノーマル状態で十分な性能を有しているので、じゃあ人間がやらなきゃいけない動作を少しでも少なくしてあげようというのがショートストローク化の意味です。
P90のノーマルスイッチをM4みたいにカリカリに詰めることは難しいですがある程度は簡単に詰められる構造をしています。
で、やり方は簡単!
厚さ3mm程度の適当なプラ棒を6mmの長さに切ってここに貼るだけ!


ここは元々3mmほどの隙間があったところなので6mmの長さのプラ棒を貼りました。これで3mmのショートストローク化になります。
両面テープで貼ります。接着剤を使ってしまうとトリガーを分解できなくなってしまいます。
トリガーの初期位置を3mm程引いた状態になりましたので今度はセーフティが掛からなくなります。
ですから、セーフティが掛かるようにセレクターを加工します。
矢印の赤いマーカーで塗った部分をリューターで削り落とします。

リューターでおおまかに削り、細かい部分は彫刻刀とデザインナイフで調整しました。

これでショートストローク化してもセーフティが掛かるようになりました。
この加工で3mm程度のショートストローク化になりました。
いや~なんだかんだで結構弄ってしまいました(笑)

初速も非常に安定してますし、良い感じになってきているのではないかと思います。
後は生配信で仕上げて完成ですね~!
生配信時はツイッターにて告知しますのでぜひフォローをお願い致します。
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ということでまた次回!
Posted by 大門団長 at 21:15│Comments(0)
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