2017年10月21日

VFC M4 ES スティンガー #23 通電効率UPでサイクル向上を目指す

最近、ガンズグローバへ行く頻度が増えている大門団長です。


行く度に色々と教えてもらえるので勉強になります。

ガンズグローバHP

今回は社長さんに電動ガンの電流の抵抗について詳しく教えていただきましたのでその内容と工作の手順を書いていきます。








通電効率を上げるとレスポンスが良くなったり、秒間サイクルが向上したりするというのはなんとなく分っている方も多いとは思いますが電動ガンの配線や電気の流れについて解説します。

その中でもとりわけ抵抗を減らすことの重要性について詳しく書いていきます。



電動ガンのモーターは断続的に重いスプリングを引く為、常に大量の電流を必要としています。

通常の18:1ギヤよりもトルクの少ないハイサイクル用13:1ギヤなどで硬いスプリングを回すような電動ガンなんかはモーターの力に頼ることになります。


そうなるとモーターは持てる力をフルに発揮してスプリングを引こうとする為、際限なく電流を要求するようになります。

電動ガンには電流を制御する装置などありません。モーターは例え自分が壊れようが、なにがなんでも全力でギヤを回そうとします。例えるなら20倍界王拳を使う梧空みたいなものですね。


そうなってくるとニッケル水素の瞬間放電量ではモーターが要求する電流量を供給しきれなくなります。

そこでリポバッテリーの登場というわけになります。
自動車のエンジンスターターをも動かしてしまうような大量の電流を瞬間的に放出できるリポバッテリーはモーターが要求した分の電流をフルに流します。



で、バッテリーがモーターに電流を届けるのに通る道が導線という訳ですが、導線は今までも記事にしてきた通り、芯線の素材が銀で、更に太ければ太いほど大量の電流を流すことができます。

ライラクスのEGエレメントコードあたりならノーマルよりも効率が良く、サイクルアップが見込めますね。リポの大電流も十分に許容できます。



が!しかし!


そのまま電流がスムーズにモーターまで届けば良いのですが、実際は電流がバッテリーからモーターにたどり着くまでに幾つもの「抵抗」という障害が待っています。



その障害が接点です。

接点と言うとスイッチを想像される方が多いと思いますが、なにも接点はスイッチだけではありません。




端子と端子が接する部分のことを接点と言います。

接点とは導線と導線の境い目のことですから、スイッチ以外にもバッテリーのコネクタ、モーターの端子が接点になります。


つまり、通常の電動ガンでリポバッテリーを使う場合はこの3ヶ所の接点が抵抗となって電流の流れを阻害しているのです。








配線を太くして通電効率の良い物に変えたとしても、途中の端子と端子の触れる面積が少なければその箇所が抵抗になってしまいますので高効率な配線に変えても電流が接点でスポイルされてしまいます。




水道で例えるなら分りやすいでしょうか。水道管に勢い良くポンプで水を流しても途中が狭いと水の勢いが無くなりますよね?

こういうのをボトルネックといいます。




(ボトルネック概念図 引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%AF

シャワーのホースの中間を指で摘んだら水の勢いが無くなるのを想像してもらうと分りやすいです。

シャワーヘッドから出るお湯の勢いで水車を回すことを想像して試しにお風呂でやってみてください。
途中のホースを摘んでシャワーヘッドからの水の勢いが無くなると水車の回転数が落ちるはずです。


それがリポバッテリーを使う電動ガンで起こっているということです。







東京マルイのノーマルの電動ガンはニッケル水素を使用することを前提として設計していますのでニッケル水素の放出電流であればノーマル電動ガンの接点はそこまで抵抗になるわけでもありません。

ですが、リポバッテリーの大電流だと許容できずに抵抗となってしまうのです。












さて、モーターは際限なく大電流を要求します。リポバッテリーはそれに応えて大電流を放出します。

その途中にある3ヶ所の接点は抵抗となって電流の流れを阻害します。

そこで許容できない電流が流れてきた時に接点はどうなるかと言うと発熱します。


ですから、硬いスプリングを入れた電動ガンでセミの連射をするとスイッチが溶けただとか、端子が溶けたという話をよく聞くわけです。


硬いスプリングを引くのにモーターは踏ん張る為、大量の電流を必要としますが、途中の接点が大電流を許容出来ないので発熱して溶けてしまうということですね。


因みにヒーターとかドライヤーで使うニクロム線は線そのものの抵抗値がめちゃくちゃ高いので線全体が発熱するということです。
なのでヒーターを強くして部屋の温度を高くしようとした場合、より大量の電流をニクロム線に流す必要があるので電気代がかさむのです。


ですから、イメージ的には発熱の原理は電動ガンも近いと言えます。

流速カスタムなどの高負荷な電動ガンは大電流を必要とします。接点の許容量を超えれば超えるほど、必然的に抵抗値が高くなりその分発熱してしまうのです。








以上のことからリポバッテリーを使う電動ガンの場合、接点の抵抗を無くすことで端子の発熱を抑えられ、効率良くモーターに電気を流すことでレスポンスやサイクルが向上するという仕組みが分ったかと思います。







では!
どうすれば接点での抵抗を減らせるかと言うと、端子と端子の触れるの面積を増やすことだそうです。

ですから、端子同士は最低でも使用している配線の芯線の断面よりは広い面積が触れていないとボトルネックになるということになります。





で!私の電動ガンのスイッチはFETにしているのでノーマルスイッチのような抵抗はありません。

そして、モーターの端子は以前に丸型の端子をネジで留める方式にしたので接触面積は芯線の断面積よりも広くなっています。









ですから最後に残された抵抗はバッテリーコネクタになります。

ということで長い前置きでしたが今回はバッテリーコネクタの抵抗を減らし、サイクルアップを目指します。












まずは東京マルイ電動ガンのバッテリーコネクタをみていきましょう。

標準装備のタミヤコネクタの中身の端子はこういう感じになっています。




形状を見る限りでは接触面積は広そうですが・・・










タミヤコネクタの断面図を見てみるとこんな感じです。




もちろんオスの方が少し太くなっています。そうじゃないと接触できませんからね。















で、挿すとメス側はこのように広がってしまうのでオスとメスの接点は赤〇の部分だけ。つまり点で接触していることになります。円柱形の物を差し込んでいるので線と言うのが正しいか。




まぁこの図は極端なので実際はもう少し広い面積が接触してはいますが、それでもEGエレメントコードの断面よりは狭いでしょう。

しかもこのコネクタ、0.2mm厚の金板を曲げて成型したものなのでそもそも素材が薄いという点も。







しかもタミヤコネクタの場合、カプラーに端子を取り付けてオスとメスを接続した場合、実際にはこれくらいしか刺さっていません。



この程度の接触面積にリポバッテリーの電流を流すとかなりの抵抗になります。

チューナーの間で「タミヤコネクタは溶ける」と言われてるのはこういったことが理由になります。

そこまで負荷の高くないノーマルの電動ガンでもリポバッテリーを使って連射するとコネクターがかなり熱くなると思います。
















とまぁ、私のメカボックスの負荷、モーターの種類や接点抵抗など色々踏まえた上で今回使用するのはミニT型2ピンコネクタです。














よく海外製電動ガンで見るTコネクタのミニ版のやつ。





社長さん曰く、リポバッテリーの7.4vで18:1のギヤを使って少し硬いくらいのスプリングを引だけならこのミニT型端子であれば全く問題ないとのこと。

11.1vで13:1のギヤを使って130スプリングを引くようなパワーカスタムなら端子の接触面積が広い通常のT型の方が良いとのこと。

私は7.4vですし、バッテリースペースにも制約があるのでこのミニTが好都合。

T型コネクタは端子と端子がしっかりと面で接触するので抵抗が少ないのだそうだ。









通常のT型コネクタと比べるとこんな感じ。

かなりコンパクトです。



ミニでもEGエレメントコードの芯線より端子の断面積が広いし接触面積も十分そうです。













さて、まずはリポバッテリーの方から端子を変えていきますよ!






タミヤコネクタと比べてもかなりコンパクト。















ニッパーでプラスとマイナスを別々で切ってからハンダ付けしていきます。先に収縮チューブを通しておくのを忘れずに!

未だにリポバッテリーの配線を弄るのは怖いです(笑)




油断してプラスとマイナスが接触してショートすると死ぬほど焦ります!

下手すると本当に火事になるのでバッテリーの取り扱いに覚えのある人だけやってください。自信が無い方はショップとかに依頼してください。















とりあえずバッテリー側は交換完了。



Tコネクタは縦になっている端子がプラスで横になっている端子がマイナスです。











横幅に関してはバランスコネクタよりも小さいです!





















次に電動ガン側です。

こっちはショートする恐れが無いのでガンガン攻めます(笑)




このように板バネで端子同士を面で密着させる訳ですね。










Tコネクタってハンダ付けしやすいですね。

















さくっと交換完了!



いつものようにフルオートで撃った際の音を録音して1秒間のサイクルを確認しました。

結果、0.5発だけアップしました。





たった0.5?


ってお思いでしょうが、私の銃は既にFET化、高効率配線化、モーターコネクタも丸型端子化しているのでこんなものでしょう。

というかバッテリー端子変えただけで秒間0.5発も伸びたなら御の字ではないでしょうか。






ですから、ノーマル電動ガンをリポバッテリーで運用している方ならFET化、高効率配線化、モーター丸型端子化、バッテリーコネクタT型化の4種目を施せばノーマルから秒間1~2発程度の向上が見込めるかもしれません。






因みに次世代電動ガンはスイッチ、バッテリー端子、モーター端子の他にストック内にも1箇所端子がありますから合計4つの接点があります。

しかも、次世代でリポバッテリーを使うほとんどの方が変換コネクタを使用してると思います。

その場合は接点が更に1箇所増えるわけですから実に5箇所の接点があるということになります。これはかなりの抵抗になってると言えるでしょう。


特にストック内のスライド接点はかなり接触面積が狭いですから、これら全ての接点抵抗を改善すれば確実に秒間2発以上はサイクルアップできそうです。



配線やFETを交換するなら、そのままモーターとバッテリー端子も効率の良いものに交換しないと結局は後者の2点で電流をスポイルしてしまい、配線とFETの性能を殺してしまいます。









ガンズグローバの社長さんが「電動ガンのカスタムはいかに抵抗を無くすか」と仰っていてなるほどな~!と思いました。


これはなにも電気回路の抵抗のことだけではなく、メカボックスのギヤやピストンなどの物理的な摩擦抵抗のこともだそうです。

ですからギヤの軸をベアリングにしたり、ピストンレールがザラついていたら磨いて抵抗を減らしたりとかをしているということです。まぁベアリング軸受を入れるか否かはベアリング径と負荷の程度によって変わるという話も聞いたのでそれはまた今度。



そうやって駆動系の摩擦抵抗も減らせばモーターへの負荷が軽減されます。余計な仕事を減らしてやると楽になるはずですよね?
そうすればモーターが要求する電流量を抑えることに繋がります。

電流量が減ればバッテリーの持ちも良くなり、接点の抵抗値も下がって発熱も少なくなりますね。

結果的に電動ガン全体の耐久性の向上になるのです。



因みに高効率の導線でも、その導線自体に少なからず抵抗値というのがあります。ですから導線が長ければ長いほどその分抵抗が大きくなるらしいです。

以上のことから配線もなるべく短くするほうが良いとのこと。




いや~勉強になりました。





カスタムする際は何も考えずに社外品のパーツを入れるよりも先に抵抗を減らしてブラッシュアップするというのが必要ってことですね。


ですから初速上げたいからっていきなりスプリングだけ高レートの物に変えてみましたってのはかなりダメな選択かもしれません。

もしそれをやるなら最低でも接点抵抗を出来る限り減らして、ギヤ比をトルク寄りのものに変えたりとかしないと。

スプリングを強いのに変えたらスイッチ燃えたっていうのはセミをメインで運用する人には定番な壊れ方ですし。





私もこれからはまず最初に出来る限り全ての抵抗を軽減する作業をやってからモーター交換だとかギヤ交換を始めるようにしよう。



まぁ中身ドノーマルにリポ使うくらいならそこまで気にすることでも無いかもしれませんが、それでもいずれノーマルのタミヤコネクタの端子を保持する部分が熱で徐々に広がってきて端子がクラクラになっていきます。私が今まで使っていたコネクタも何個かは軽く広がってました。


そのまま放置して微妙に接点が触れるか触れないかの状態で通電させるとそこでスパークが発生したり、最悪の場合はそのままコネクタが融解、ショートしてリポ炎上って可能性が無きにしも非ず。


ですから、リポバッテリーをお使いの方は定期的にバッテリーカプラーもチェックして中の端子がグラついているようでしたらカプラーを交換した方が良いかもですね。



ということでまた次回!